はじめに
 
昨年、一般社団法人直方青年会議所は地域住民・行政、各種地域団体との多くの縁を育んでこられた先輩諸氏の長きに渡る運動の積み重ねにより、創立65周年という節目の年を迎えることができました。私たちはこれまでの運動の歴史を振り返り、いつの時代も「明るい豊かな社会の実現」に向け、後世により良いまちを残したいという先人達の志を引き継ぎ、これからもこの地域に必要とされるまちづくり団体であり続けるための新たなる出発点を迎えたといえます。
しかし、同時に我々はかつてない苦境に立たされています。中でも、昨年の新型コロナウィルス流行は記憶に新しく、私たちの運動や活動にも多大な影響を及ぼしました。様々な事業が延期や中止になり、仕事面では多くの会社が廃業、倒産に追い込まれ、そして、生活面でも今までにない様式を強いられることになりました。数年先の未来も予測できないと言われる社会がさらに先行き不透明になってしまい、どこに向かっていけばよいのか、誰もが目をつむり、時代の流れを傍観し、問題が起きてからアクションを起こすということを繰り返して、挙句の果てにはどこかの誰かがどうにかしてくれるだろうと他人事にしてはいないでしょうか。私たちの組織も、あまりにも壮大な理念に対して目をつむり、具体的に効果的な政策を立案できず、ただただ65年の歴史に甘えてしまっているのではないでしょうか。
これは現在の直方青年会議所には明確なビジョンがないことが問題であると考えます。
「ビジョン」の大切さは、短期間で急成長を遂げた企業を見てもわかるように明確なビジョンがそこには存在しています。行き先を決め、自らの足で一歩ずつ進んでいかない限り、前には進まないように私たちの組織も「自分たちは、この方向に進むのだ」というビジョンがなければならないのです。しかし、直方青年会議所には私たちが向かうべき方向を示した中長期ビジョンの認識は現会員の中では曖昧で、これからどのように進んでいくべきか困惑しています。そのような中で理事長所信は毎年変わり、単年度制の中、目指す方向を明確に示すことが難しくなっています。私たちが目指すべき明るい豊かな社会という理念は単年で到達できるものではありません。2021年という単年度の中でも、組織としての明確なビジョンを持ち、会員全員が同じ方向を向き、自らの足で進んでいかなければ、明るい豊かな社会は実現されません。本気で実現させる為には、会員全員の共通認識として中長期ビジョンを策定し、時代の変化が激しい現代において、戦略の変更を前提としながらも、ビジョンを基に実行し、明るい豊かな社会の実現を目指します。
 
 
仲間を増やす目的とはいったい何か
 
会員拡大は直方青年会議所の設立当初からずっと行われています。直方青年会議所の一番の理解者が入会者であり、私たちの理念を実現させる為には、共に同じ時間を過ごし、私たちの組織で得た経験をそれぞれの社会や地域に持ち帰り、活かしていく仕組みを持続していかなければなりません。
会員全員で会員拡大に参画する仕組みを確立し、短期的な拡大目標を達成することで、組織力を高めていきます。そして、在籍年数の短さを上回る新陳代謝を続けていくことで積極的に行動する仲間の輪が広がり、継続的かつ持続的に運動、活動を展開することが出来るようになります。全ての行動が会員拡大につながる仕組みにより私たちの運動に賛同し、共に社会を動かす地域住民との好循環を生み出すことで、直方青年会議所に賛同者が自ら入会を希望する組織を目指していきます。
 
 
誰もが挑戦し夢を描ける社会を
 
2018年に日本青年会議所の定款にビジネスの機会が明記されました。経済の充実を今こそ図らなければならない、そして、日本経済を成長期のように再び充実させる任務の大半を負っているのは私たち青年であり、あらゆる機会をとらえて互いに団結し、自らの修練に努めなければなりません。ビジネスの機会を創出する。一言で言えば簡単ですが、求められたものを供給するというだけでは数年先の未来も予測できない社会では打ち勝っていけません。「青年、それはあらゆる価値の根源である」との想いで設立された青年会議所だからこそ、一人ひとりのメンバーは価値を享受するだけでなく、価値を創造する側でなければなりません。現代は世界的に、供給が希少であった時代から、需要が希少な時代に変わりつつあります。私たちが新たな需要を創りだすことのできる新たな価値を構想し、デザインしていくことができれば、可能性は無限に広がります。私たち青年会議所メンバー1人ひとりが主役となって、新しい社会を創りあげていく、その目指す先、ビジョンとなるものが「価値デザイン社会」なのです。そこに明るい豊かな社会や、私たちの幸せがあると信じています。
 
 
地域とのサイクルを生み出す
 
渉外活動は外部と我々をつなぐ重要な活動ですが、現在の渉外活動は受け身であり、外部との接点としてうまく機能していません。直方青年会議所と協力団体が良い相乗効果を生むことができるよう関係構築を行わなければなりません。そして、今まで協力関係が構築できなかった団体に対して渉外活動を行うことで、私たちが地域から何を求められているのかを理解し、多くの協力者と共に行動することで大きなうねりを創りだすことができるのです。
 
 
唯一無二の直方JCブランドの構築
 
2020年度、長きにわたり続けられてきた北釜山青年会議所との合同事業であるホームステイが新型コロナウィルスの影響で中止を余儀なくされました。2021年度も事業実施の見通しが立たず、互いに困惑しているという現状が続いています。解決の糸口が見つからず、流れに身を任せたままにしておくと地域の未来ある子ども達を育成する機会も失ったままになってしまいます。地方創生が叫ばれている中、子ども達だけではなく、地域住民を巻き込んだ運動を展開しないことには地域の衰退は加速度的に進んでいきます。2021年度、直方青年会議所ではこれからのまちづくりを政策的に考え、爆発的に交流人口を増加させるための政策を49年続く北釜山青年会議所との姉妹関係を基礎に釜山と私たち活動エリアの国際交流と文化交流として今後開催することを考え、地方都市間の経済交流から交流人口の大幅な増加を誘導し、地方創生に寄与します。
 
 
価値と効果を高める礎となる組織運営を
 
組織を運営していくにあたり、信用の高い組織基盤を確立することができれば、社会に対しより良い成果を生む運動を展開し続けることが可能になります。私たちの強みである「会議」は、より多くの人財のもと、建設的な議論と意見交換がなされる機会であるべきです。1年間の担いを全うする中で、各会議が価値と効果を高めるために行なわれているか、常に検証し、進化させていくことで円滑な組織運営へとつながり、組織が行なう運動・活動の価値や効果をより高めることができるのです。
 
 
戦略的な発信を
 
我々、直方青年会議所がどのような団体で、何を目的に運動を展開しているのか理解している人はどれだけいるでしょうか。私たちの運動や活動はメンバーの行動や情報発信により歴史を紡いできました。運動発信の最大の目的は地域に私たちが行なう運動とその成果を届けることですが、メンバーの運動発信は地域住民を巻き込むことの重要性を理解しないと有効な発信はできません。「明るい豊かな社会の実現」に向け、ビジョンを共有し、社会に効果的な発信を行っていきます。
 
 
おわりに
 
私やあなた一人にできることはちっぽけなものかもしれない。しかし、私たち一人ひとりが、それぞれの立場で当事者意識を持ち、ビジョンを描き、志と行動力、そしてリーダーシップを発揮すれば、光り輝く無限のパワーへと進化します。
役割や居場所がない人など存在しません。ただし、自ら決断し一歩を踏み出さなければ今と何も変わらないし変えることもできません。人は理想を追い求め、理想に追いついた時に感動を覚え、そしてまた新たな扉を開こうとします。はじめは小さな一歩かもしれません。歩幅も小さいかもしれません。時間がかかるかもしれません。それでもまずは一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。これから歩み出す場所を、そしてそこで出会った人のことを素直に深く感じて「今」を全力で生きてみましょう。
私たちに残されている時間は限られています。考え込む時間はありません。
考えるより感じて行動しよう。すべてはそこから始まる。